本記事は、voicyで配信している音声の文字起こしです。音声は以下のリンクからお聴きいただけます。
みなさん、こんにちは、こんばんは、宮本真愿です。
「五つ星文章術」
前回は「刺さる言葉」が、人によって違う理由、というテーマで、個性学についてお話ししました。
人によって、価値観も違えば、判断基準も違う。
だから、自分に響く言葉が、必ずしも相手にも響くとは限らない。
そんなお話でした。
読者を自然に行動へ導く、文章の設計図
さて、ここまで7回にわたって、五つ星文章術の土台となる考え方をお伝えしてきました。
- 脳科学
- 広告心理学
- 行動経済学
- 神話学
- 個性学
この5つの視点から、人間の心理や行動を見てきたわけです。
そして今回からは、いよいよ実践編です。
これまで学んできた人間理解を、実際の文章にどう活かしていくのか。
SNS、note、ブログ、メルマガ、セールス文章など、さまざまな場面で使える考え方をお届けしていきます。
今回のテーマは「読まれる文章」と「売れる文章」は、ここが違う、です。
実はこれ、情報発信をしている人が、意外と見落としているポイントなんです。
1万回読まれても、売上ゼロという現実
突然ですが、みなさん。
こんな状況を想像してみてください。
一生懸命書いたnoteの記事が、ものすごく読まれました。
- 閲覧数は1万回
- スキもたくさんついた
- コメントも届いた
- フォロワーも増えた
「やった! これは大成功だ!」と思いますよね。
ところが、その記事から商品は一つも売れていない。
メルマガの登録もゼロ。
お問い合わせもゼロ。
……あれ?
「こんだけ読まれたのに、なんでやねん?」となるわけです(笑)
でも、これは珍しい話ではありません。
もちろん、すべての記事が商品を売るために存在しているわけではありません。
読者との交流が目的の記事もあります。
自分の考えを伝えるための記事もあります。
それはそれで、十分に価値があります。
ただし、もし目的が商品販売や見込客の獲得だったとしたら、どうでしょう。
読まれたことと、目的を達成したことは、必ずしも同じではありません。
ここを理解しておく必要があるんです。
「読まれる文章」と「売れる文章」は、目的が違う
僕は、文章を書くときに、最初に考えることがあります。
それは「この文章を読んだ人に、最後にどうなってほしいのか?」ということです。
たとえば、SNSの投稿なら「この考え方を知ってほしい」という目的かもしれません。
noteの記事なら「自分の経験を通して、読者に気づきを届けたい」という目的かもしれません。
メルマガなら「次回の配信も楽しみにしてほしい」という目的かもしれません。
そして、セールス文章なら「商品を理解して、必要だと感じた人に申し込んでほしい」という目的になります。
つまり、文章によってゴールが違うんですね。
ここで大切なのは「文章を書くこと」を目的にしない、ということです。
何のために書くのか。
誰に、どうなってほしいのか。
これを決めてから書き始める。
それだけで、文章の構成が変わってきます。
読者が感動しても、行動するとは限らない
たとえば、こんな文章があったとします。
「人生は何度でもやり直せる」というテーマの記事です。
僕自身、会社倒産やホームレスを経験していますから、こういうテーマでは、いろいろなことをお話しできます。
読者が記事を読んで…
「感動しました!」
「勇気をもらいました!」
「自分も頑張ろうと思いました!」
とコメントしてくれた。
これは、本当に嬉しいことです。
でも、もしその記事の目的が、何かの講座に興味を持ってもらうことだったとしたら、どうでしょう。
読者は感動した。
でも、その講座の存在すら知らないまま、記事を閉じてしまった。
これでは、ビジネスとしての目的は達成できていません。
なぜか?
読者が感動したあと、何をすればいいのかが示されていないからです。
つまり、文章の中に、次の行動への橋が架かっていないんです。
文章には「入口」と「出口」が必要
ここで、今日の重要な考え方を一つ紹介します。
僕は、文章を一つの道のように考えています。
まず、入口があります。
これは、タイトルや書き出しです。
以前の放送でもお話ししましたが、ここで読者に「これは自分に関係がある」と思ってもらう。
次に、本文があります。
ここでは、問題を理解してもらったり、共感してもらったり、新しい気づきを届けたりします。
そして最後に、出口があります。
「では、このあと、どうすればいいのか?」という部分です。
入口が魅力的でも、本文がつまらなければ途中で離れてしまいます。
本文が素晴らしくても、出口がなければ、そこで終わってしまいます。
だから、文章全体を一つの流れとして設計する必要があるんです。
- 入口
- 本文
- 出口
この3つを意識するだけでも、文章の目的が明確になります。
いきなり「買ってください」では、橋が短すぎる
ただし、ここで勘違いしてほしくないことがあります。
出口が必要だからといって、何でもかんでも「今すぐ買ってください!」と書けばいいわけではありません。
たとえば、初めてあなたの記事を読んだ人がいたとします。
- まだ、あなたがどんな人なのかも知らない
- どんな考え方を持っているのかも知らない
- 商品についても、よくわからない
そんな状態で、いきなり「こちらの講座、9万8000円です! 今すぐお申し込みを!」と言われたら…
「いや、ちょっと待ってくれへん?」となりますよね(笑)
つまり、読者の現在地と、こちらが求める行動の間に、距離があるんです。
その距離を無視してはいけません。
初めて出会った人には、まず無料の記事を読んでもらう
↓
興味を持った人には、無料レポートを紹介する
↓
さらに詳しく知りたい人には、メルマガや動画を案内する
↓
そして、必要性を感じた人に、商品を紹介する
こうした段階的な流れも考えられます。
もちろん、すべてのビジネスで同じ順番が必要なわけではありません。
でも大切なのは、読者の現在地に合った、無理のない次の一歩を用意することなんです。
セールス文章の基本は「問題から解決へ」
では、実際に売れる文章は、どんな流れで設計すればいいのでしょうか。
ここで、シンプルな考え方を紹介します。
まず、読者が抱えている問題を明確にする
↓
次に、その問題がなぜ起きているのかを説明する
↓
そして、解決の方向性を示す
↓
最後に、その解決策を実践するための具体的な行動を案内する
この流れです。
たとえば、文章術の講座なら「毎日SNSに投稿しているのに、反応がない」という問題があります。
そこで「文章の書き方だけを学んでも、読者の心理を理解していなければ、なかなか反応につながらないことがあります」と、問題の背景を説明する。
次に「だから、文章を書く前に、人間を理解することが大切なんです」と、解決の方向性を示す。
そして「その考え方を体系的に学びたい方には、こんな講座があります」と、具体的な選択肢を紹介する。
どうでしょう。
いきなり商品を売り込むのとは、ずいぶん印象が違いますよね。
読者が自分の問題を理解し、解決策に納得したうえで、次の行動を選べる。
この流れが大切なんです。
商品の説明より「読者の変化」を描く
もう一つ、売れる文章で大切なのが、商品の説明だけで終わらせないことです。
たとえば「この講座には、50本の動画があります」と書くとします。
これは商品の特徴です。
もちろん、必要な情報です。
でも読者が知りたいのは「50本の動画があることで、自分にどんなメリットがあるのか?」ということです。
そこで「基礎から実践まで、自分のペースで繰り返し学べます」と伝えます。
さらに「何を書けばいいかわからず、毎回パソコンの前で悩んでいた状態から、文章の設計図をもとに書き始められるようになることを目指します」と伝える。
ここまで来ると、読者は、自分が変わっていく未来を想像しやすくなります。
つまり、商品を説明するだけではなく、その商品によって読者がどう変われるのかを描く。
これが重要なんです。
ただし、実現できるかどうかわからない成果を、必ず達成できるかのように書いてはいけません。
期待を高めることと、誇張することは違います。
誠実な文章であることが大前提です。
「行動してください」ではなく「行動しやすくする」
ここで、もう一つ重要なポイントがあります。
それは、最後の案内の仕方です。
たとえば、記事の最後に「興味がある方は、ぜひ行動してください!」と書いたとします。
でも、読者からすれば「何をしたらええねん?」となるわけです(笑)
だから、具体的に伝える必要があります。
「まずは無料レポートを読んでみてください」
「詳しい内容は、こちらのページで確認できます」
「今回紹介した方法を、今日のSNS投稿で一つ試してみてください」
という具合です。
行動は、小さくて構いません。
むしろ、読者にとって負担の少ない行動のほうが、取り組みやすい場合もあります。
そして、一つの文章で、あれもこれも求めすぎないことです。
「フォローしてください」
「メルマガ登録してください」
「YouTubeも見てください」
「商品も買ってください」
「コメントもお願いします」
……
読者も忙しいですからね(笑)
もちろん、複数の案内が必要な場面もあります。
でも、基本的には「この文章で、一番してほしいことは何か?」を明確にしておくと、読者も迷いにくくなります。
AIに文章を書かせる前に、決めておきたいこと
そして、今回の話は、AIを使った文章作成でも非常に重要です。
AIに「文章術の講座を紹介する文章を書いてください」と頼めば、それなりの文章をつくってくれます。
でも、その文章が本当に目的に合っているかどうかは、別の話です。
なぜなら…
- 誰に向けた文章なのか
- その人は今、何に悩んでいるのか
- どのくらい商品を知っているのか
- 最後に何をしてほしいのか
こうした情報がなければ、AIも適切な設計をしにくいからです。
だから僕は、AIを使うときも、まず文章の目的を明確にすることが大切だと思っています。
たとえば「SNSで情報発信を始めたばかりの人に向けて、読者心理の重要性を伝える記事を書いてください。最後は、無料レポートに興味を持ってもらうことが目的です」と伝える。
これだけでも、AIが考える文章の方向性は変わります。
AIに文章を書いてもらう前に「誰に、何を伝えて、どうなってほしいのか?」を決める。
これが、AI時代の文章設計でも重要なんです。
今日からできる「出口から書く」実践法
では最後に、今日からできる簡単な実践を一つ紹介します。
次に文章を書くとき、いつもとは逆の順番で考えてみてください。
まず、文章の最後を決めるんです。
つまり「読者に、最後に何をしてほしいのか?」を先に決める。
たとえば…
- 無料レポートを読んでほしい
- メルマガに登録してほしい
- 商品について詳しく知ってほしい
- あるいは、今日紹介した方法を一つ実践してほしい
何でも構いません。
次に「その行動をするために、読者は何を理解している必要があるだろう?」と考えます。
そして最後に「その話に興味を持ってもらうためには、どんな書き出しがいいだろう?」と考える。
つまり、出口から逆算して、本文と入口を設計する、ということです。
これをやると、途中で話が脱線しにくくなります。
そして、読者にとっても、文章全体の流れがわかりやすくなります。
もちろん、すべての記事をこの方法で書く必要はありません。
でも、何かの行動につなげたい文章を書くときには、ぜひ一度試してみてください。
文章は、読者の「次の一歩」をつくるもの
さて、今日のお話はいかがだったでしょうか。
今回は「読まれる文章」と「売れる文章」は、ここが違う、というテーマでお話ししました。
- 読まれることは大切です
- 共感されることも大切です
- 信頼されることも大切です
でも、もし文章の目的が、読者に何かの行動を起こしてもらうことなら、そこまでの流れを設計する必要があります。
① 入口で興味を持ってもらう
↓
② 本文で理解や共感を深めてもらう
↓
③ そして出口で、次の一歩を示す
この3つをつなげることです。
ただし、ここで忘れてほしくないことがあります。
文章の目的は、読者を無理やり動かすことではありません。
読者が自分に必要な情報を理解し、納得して、自分の意思で次の一歩を選べるようにすること。
僕は、それが本当に価値のあるセールスライティングだと思っています。
最後に、今日の話を一言でまとめます。
「読まれる文章」は、読者の時間をもらう文章。
「売れる文章」は、その時間を次の行動につなげる文章。
そして、どちらにも共通して必要なのが、相手を理解することです。
これからの実践編では、こうした考え方を、さらに具体的な文章の技術へと落とし込んでいきたいと思います。
文章を磨きながら、人を知る。
人を知りながら、自分の言葉を磨く。
「五つ星文章術」
今回は「読まれる文章」と「売れる文章」は、ここが違う、というテーマでお話ししました。
最後までお聴きいただきまして、ありがとうございました。
voicyパーソナリティの宮本真愿でした。
それでは、また次回お会いしましょう。


