人生に「余白」を取り戻す「引き算」の整え方
人生を変えようとするとき、僕たちは「何を始めるか」ばかり考えます。
- 運動を始めよう
- 読書を始めよう
- 朝活を始めよう
- 日記を書こう
- 瞑想しよう
- 勉強しよう
- 副業を始めよう
僕も、散々やってきました。
そして、ある月曜日…
- 朝5時に起きる
- 運動する
- 本を読む
- 瞑想する
- 目標を書く
- 仕事も頑張る
- 夜は一日を振り返る
完璧な「人生改革プラン」です。
問題は、水曜日くらいになると、人生改革したこと自体を後悔し始めることです(笑)
なぜ、こうなるのでしょう。
僕は今、一つの理由として、人生を変える=何かを「足す」ことだと思い込んでいたからではないか、と考えています。
人生を変えたい人ほど、予定表がパンパンになる
たとえば、今の生活がしんどいと感じているとします。
そこで、人生を良くしようとします。
すると…
- 健康のために、運動を足す
- 成長のために、読書を足す
- 将来のために、勉強を足す
- 収入を増やすために、副業を足す
- 心を整えるために、瞑想を足す
- 人間関係のために、交流会を足す
そして「忙しすぎて死にそうです」となる。
いや、人生を良くするために始めたんですよね(笑)
でも、これは結構起こります。
良くなりたい。
だから、足す。
もっと良くなりたい。
だから、さらに、足す。
その結果「改善」が、新しい負担になるのです。
コップがいっぱいなら、まず水を減らす
コップを、想像してみてください。
すでに、水がいっぱい入っています。
そこへ、さらに水を注ぐ。
どうなるか。
当然、あふれます。
人間も、少し似ています。
1日24時間しかありません。
- 体力にも限界がある
- 集中力にも限界がある
- 感情を処理する力にも、限界がある
なのに、人生を変えたいからと、新しい習慣を、どんどん注ぎ込む。
すると、いい習慣なのに、入らない。
これは、習慣が悪いわけでも、あなたの意志が弱いわけでもありません。
単純に、入れる場所がないのかもしれません。
「整える」は、足し算だけではない
五つ星成功術では「身 → 脳 → 気 → 心 → 志」を整えていきます。
ここで「整える」と聞くと、何か良いことを、追加するイメージがあるかもしれません。
でも僕は、整えるとは、足すことと同じくらい「減らすこと」も大切だと思っています。
むしろ、今の時代は「引き算」のほうが必要な人も多いと思います。
- 情報は、すでに多い
- 予定も、すでに多い
- モノも、すでに多い
- 選択肢も、すでに多い
- 通知も、すでに多い
だから「もっと」ではなく「何を減らせば、本来の自分が戻ってくる?」と考えたほうがいいケースのほうが多かったりします。
「身」の引き算
まず、身体。
身体を整えようとすると…
- ジムへ行く
- サプリを飲む
- 健康法を始める
このように、足したくなります。
もちろん、必要なものもあります。
でも、その前に、身体を疲れさせているものを減らせないかをチェックしてみる。
- 夜更かし
- 長時間のスマホ
- 休憩なしの仕事
- 無理な予定
- 飲みすぎ
- 座りっぱなし
何かを始めるより、夜30分、スマホを見る時間を減らしたほうが、身体が整う人もいます。
新しい健康法より「やめる健康法」のほうが効くこともあるんです。
「脳」の引き算
次は、脳。
現代人の頭の中は、かなり忙しいです。
- 仕事
- SNS
- ニュース
- メール
- LINE
- YouTube
- 考えごと
「あれもやらなきゃ」「これも忘れないように」と、頭の中に、ずっとタブが開いています。
僕なんて、昔のパソコンだったら、とっくにフリーズしています(笑)
そんな状態で、さらに「新しい勉強を始めよう」とすると、脳からしたら「ちょっと待ってくれ」です。
だから、脳を整えるときは、情報を足す前に、減らす。
- 通知を切る
- 見るSNSを減らす
- やらないことを決める
- 頭の中のタスクを、紙へ出す
つまり、脳の空き容量をつくる。
それだけで、集中力が戻ることがあります。
「気」の引き算
そして「気」
僕は、気を、エネルギーや感情の回復力として捉えています。
ここでも「元気になる方法」を足す前に「何にエネルギーを奪われている?」のかを見ます。
- 会うたびに、ぐったりする人
- なんとなく断れず、引き受けている仕事
- 惰性で参加している集まり
- 見るたびに、心がざわつくSNS
- 本当は嫌なのに「いい人」でいるために続けていること
- エネルギーを増やそうとするより、漏れている場所を塞ぐ
こちらが先の場合があります。
バケツに穴が開いているのに、上から一生懸命、水を入れているようなものです。
まず、穴を見つけることが先決です。
「心」の引き算
心も、同じです。
僕たちは…
「もっと自信を持とう」
「もっと前向きになろう」
「もっと自分を好きになろう」
と、心にも足し算をします。
でも、その前に、減らしたほうがいいものがあるかもしれません。
「ちゃんとしなければ」
「失敗してはいけない」
「嫌われてはいけない」
「期待に応えなければ」
「もっと頑張らなければ」
こういう、自分に課しているルールは、僕自身も、ずいぶん持っていました。
自信を100足すより、自分を責める言葉を10減らす。
そのほうが、心が楽になることがあります。
「志」にも引き算がある
最後は、志。
人生の方向や目的です。
ここでも…
- 夢を増やす
- 目標を増やす
- やりたいことを増やす
だけではありません。
むしろ「本当はもう望んでいない目標」を手放すことも、立派な志の整理です。
昔は欲しかった
↓
でも、今は違う
昔は目指していた
↓
でも、今の自分には合わない
それなのに…
- 一度決めたから
- 人に言ったから
- ここまで頑張ったから
と、握り続ける。
すると、ナビには、もう行きたくない目的地が、ずっと設定されたままになります。
たまには、目的地を削除してもいいん。
人生のナビも、更新が必要です。
「やめる」は敗北ではない
僕は昔、何かをやめることに、かなり抵抗がありました。
やめる..
=逃げ
=根性がない
=続かなかった
=負け
そんなふうに、考えていたところがあります。
だから、合わないことも、続ける。
しんどいことも、続ける。
そして、続けている自分を「頑張っている」と思っていました。
でも、あるとき気づきました。
続けることと、前に進むことは、同じではありません。
間違った方向へ、全力で走り続けても、目的地には、近づきません。
必要なら…
- 止まる
- やめる
- 手放す
- 方向を変える
これも、前進です。
33歳で、僕は「足せない状態」になった
33歳のとき、会社が倒産しました。
離婚し、4人の子どもたちと別離し、住む場所も失いました。
そこから人生を立て直すとき、僕には、いろいろなものを、新しく足せる余裕なんてありませんでした。
- 壮大な目標
- 完璧な習慣
- 華やかな成功計画
そんなものより、まず、今日をどうするかで頭がいっぱいでした。
今できることは何かを考え、余計なものを抱えず、目の前の一つをやる。
その繰り返しでした。
今振り返ると、あの頃の僕は、人生を足し算で再建したというより、余計なものが削ぎ落とされたところから、再建したのかもしれません。
成功者になる前に「余白のある人」になる
僕たちは、成功というと、たくさん持っている人を、想像しがちです。
- 知識がある
- 能力がある
- 人脈がある
- お金がある
- 予定がある
- 仕事がある
もちろん、それらも素晴らしいです。
でも僕は、長く人生を歩くうえでは、余白があることも、かなり大切だと思っています。
- 休める余白
- 考えられる余白
- 人の話を聞ける余白
- 失敗できる余白
- 予定変更できる余白
- 何もしない余白
余白がないと、小さなトラブル一つで、全部が崩れます。
逆に、少し余白があれば、人生は、意外としなやかになります。
「何を始める?」の前に聞いてほしいこと
何かを変えたいとき、僕たちは、すぐ「何を始めればいい?」と聞きます。
でも、その前に、一つだけ聞いてみてください。
「何をやめれば、これを始められる?」と。
- 運動したい → 何を30分減らす?
- 勉強したい → 何を見る時間を減らす?
- 副業したい → 何をやらない?
- もっと休みたい → 何を断る?
- 家族との時間を増やしたい → 何を手放す?
時間は、突然増えません。
何かを入れるなら、何かを出す。
この発想を持つだけで、新しい習慣が、かなり現実的になります。
今日できる「五つ星の引き算」
もしよければ、今日は、何かを始めるのではなく、一つ減らしてみてください。
たとえば…
- 身 → 寝る前のスマホを30分減らす
- 脳 → 不要な通知を一つ切る
- 気 → 惰性で受けている予定を一つ見直す
- 心 → ちゃんとしなければいけないことを一つ手放す
- 志 → もう違うと感じている目標を一つ問い直す
全部やらなくていいんです。
一つでいいです。
そして、減らしたあとに、自分がどう感じるかを見てください。
- 少し楽になった
- 頭が静かになった
- 時間ができた
- 気持ちが軽くなった
その感覚があれば、そこに、あなたが必要としていた「余白」があったのかもしれません。
「やらないことリスト」をつくる
ToDoリストは、多くの人が作ります。
僕も作ります。
でも、人生がパンパンになっているときほど、おすすめしたいのが「Not To Doリスト」です。
つまり、やらないことリスト。
たとえば…
- 起きてすぐSNSを見ない
- すべての誘いにYESと言わない
- 夜に重要な決断をしない
- 一日に予定を詰め込みすぎない
- 一度に複数の習慣を始めない
- 疲れている日に自分を採点しない
こういう「やらないこと」を決めておくと、意志力を使って、毎回判断しなくて済みます。
人生は、何をするかだけでなく、何をしないか、でも、つくられていきます。
足す前に、空ける
先日の投稿では「学ぶ」から「使う」へ、という話をしました。
でも、実際に使おうとすると、次の問題が出てきます。
「やる時間がない」
だからこそ、今回は、その一歩先です。
使うためには、使える余白をつくる。
新しい行動を、無理やり予定表へ押し込むのではなく、先に、場所を空ける。
これは、部屋の片づけと同じです。
新しい家具を買う前に、いらないものを出す。
人生も、同じなのかもしれません。
人生が変わらないとき「不足」だけを疑わない
- もっと努力が必要
- もっと知識が必要
- もっと習慣が必要
- もっと人脈が必要
- もっと自信が必要
僕たちは、人生がうまくいかないと「何かが足りない」と考えがちです。
でも、本当にそうでしょうか。
もしかすると、足りないのではなく…
- 予定が多すぎる
- 情報が多すぎる
- 考えごとが多すぎる
- 抱えている役割が多すぎる
- 自分への要求が多すぎる
だから、新しい何かを足す前に、一度、引いてみることを考えてみるのです。
「何を足すか」より、「何を減らすか」
僕は30年以上、人生を良くする方法を、探してきました。
その中で、たくさんのものを、足してきました。
- 知識
- 習慣
- 目標
- 方法
- 挑戦
どれも、無駄だったとは思いません。
でも、今の僕が、同じくらい大切にしているのは…
- 減らすこと
- 余計なものを減らす
- 抱えすぎたものを降ろす
- 古くなった目標を手放す
- 情報を閉じる
- 休む
すると、新しく何かを足さなくても、もともと自分の中にあった力が、少し戻ってくることがあります。
だから、人生を変えたいとき「明日から何を始めよう?」だけではなく、こう聞いてみてください。
「明日から、何をやめよう?」
人生を変える最初の一歩は、新しい何かを始めることではなく、その一歩を置ける「余白」をつくることなのかもしれません。


