読者が欲しいのは、美しい文章ではなく「自分の未来」だった
文章がうまいのに、なぜか売れない人がいる。
逆に、お世辞にも文章がうまいとは言えないのに、商品が売れる人もいる。
この違い、いったい何だと思いますか?
僕は現在、23社のマーケティング支援に携わっています。
その仕事を通じて、何度も考えさせられてきたことがあります。
それは、「文章のうまさ」と「人を動かす力」は、必ずしも比例しないということ。
むしろ、文章を書くことに慣れた人ほど、知らず知らずのうちに陥る落とし穴があるんです。
今日は、そんな少し耳の痛い話をしてみようと思います。
もちろん、僕自身への戒めも込めて…
「素敵な文章ですね」というのは、褒め言葉なのか?
例えば、あなたが商品を紹介する記事を書いたとします。
時間をかけて構成を練り、言葉を磨き、読みやすい文章に仕上げた。
そして、読者からこんなコメントが届きます。
「とても素敵な文章ですね!」
嬉しいですよね。
僕だって嬉しいです。
でも、マーケティングの視点では、もうひとつ確認したいことがあります。
「その文章を読んだ人は、何か行動しただろうか?」
- 商品を購入した
- 資料を請求した
- メルマガに登録した
- あるいは、紹介された方法を実際に試してみた
もちろん、すべての記事で販売を目指す必要はありません。
でも、何らかの行動を促すことが目的なら「素敵な文章ですね」という評価だけでは判断できないんです。
なぜなら、文章の美しさと、文章が果たした役割は別物だからです。
売り手は「商品の魅力」を語りたがる
僕がマーケティングの現場で繰り返し感じるのは、売り手と買い手の視点の違いです。
商品を作った人は、その商品に愛情があります。
だから、どうしても説明したくなります。
- 「この講座には、50本の動画が収録されています!」
- 「最新のAI技術を活用しています!」
- 「独自開発のメソッドを採用しています!」
もちろん、素晴らしいです。
でも、ちょっと待ってください。
読者は、その説明を聞いて何を思うでしょうか。
「動画が50本もあるのか!すごい!」と思う人もいるでしょう。
一方で「えっ、50本も見なあかんの?時間ないねんけど……」と思う人だっているかもしれません。
つまり、売り手が魅力だと思っていることが、必ずしも買い手にとっての魅力とは限らないんです。
ここが、マーケティングの難しくて面白いところです。
「何が入っているか」より「どう変われるか」
例えば、文章術の講座を紹介するとしましょう。
Aの文章:「脳科学・広告心理学・行動経済学など、5つの学問を体系化した独自メソッドを学べます」
Bの文章:「自分の商品やサービスの魅力を、言葉にするのが苦手だったあなたへ。伝えたいことが整理でき、読者に届く文章を書けるようになることを目指します」
どちらが正しいという話ではありません。
Aは講座の特徴を伝えています。
Bは受講後に目指す変化を伝えています。
大切なのは、読み手が何を知りたい段階にいるかです。
文章に苦手意識がある人なら、最初はBに興味を持つかもしれません。
そのあとで「どうやって実現するの?」と思ったときに、Aの説明が役立ちます。
商品説明は、読者の関心が育つ順番に合わせて届ける。
僕は、ここがとても重要だと思っています。
売り手(書き手)が忘れてはいけないこと
僕自身、長年コピーライティングに携わってきました。
だからこそ、気をつけていることがあります。
それは、「うまいこと言おう」としすぎないことです。
- 気の利いた表現
- 印象的な比喩
- 思わず唸るキャッチコピー
どれも文章の魅力です。
でも、書き手が自分の表現に酔い始めると、読者が置き去りになることがあるのです。
「このコピー、我ながら天才的やな!」なんて思ったときほど、危険信号かもしれません。
僕も気をつけないと(笑)
マーケティングの文章で主役になるべきなのは、書き手の才能ではありません。
読者が抱えている問題と、その先にある可能性です。
今日から試せる、たったひとつの質問
商品紹介の記事を書くとき、僕がおすすめしたい質問があります。
それは「この文章は、誰の、どんな悩みに答えているだろう?」という問いです。
書き終えたあと、もう一度読み返してみてください。
- 商品の説明ばかりになっていないか
- 専門用語で読者を置き去りにしていないか
- 読者が「これは自分のための話だ」と感じられるか
- そして、必要な人が次の一歩を踏み出せる内容になっているか
文章の役割は、必ずしも売ることだけではありません。
- 安心してもらうこと
- 新しい視点に気づいてもらうこと
- 誰かの背中を、そっと押すこと
それも立派な成果です。
最後に
文章がうまくなることは、素晴らしいです。
でも、文章のうまさを見せることが目的になってしまったら、本末転倒です。
僕が目指したいのは、読者に「この人、文章がうまいな」と思われることだけではありません。
「この文章を読んで、何かが変わった」
そう感じてもらえる文章です。
書き手が褒められる文章より、読み手の人生に役立つ文章を。
あなたが今日書いた文章は、誰の未来に向かっているでしょうか?
追伸|実は、僕が長文を書くのには理由があります。
僕は自分の文章術講座や成功術講座を販売する際、入口となるnoteの無料記事や無料レポートを、あえて長文にしています。
なぜなら「そんな長い文章、読む時間ないねんけど……」という人を、最初から対象外にするためです。
僕が届けたいのは、手軽に答えだけを手に入れたい人ではなく、時間を投資してでも、本気で学び、実践しようとする人です。
つまり、長文そのものが、理想のお客さんと出会うためのフィルターになっているんです。
もちろん、短い文章が悪いわけではありません。
大切なのは、文章の長さに絶対的な正解はなく、売り手の販売戦略と「誰に届けたいのか」という理想の顧客像によって、正解は変わるということです。
ちなみに、僕の無料レポートは「無料」のわりに、なかなかの重量級です。
読むだけでも、ちょっとした筋トレになります(笑)


