ホームレスから再起した僕が知った、本当の強さは「落ちないこと」ではなく「何度でも戻れること」
人生を立て直してからも、僕は普通に落ち込みます。
会社が倒産し、離婚し、4人の子どもと離れ、住む場所まで失った。
そこから約2年で経営者として再起した。
ここまでだけを切り取ると「ものすごくメンタルが強い人なんですね」と言われることがあります。
でも、先に白状しておきます。
僕、そんなに強くありません(笑)
・今でも落ち込むときがあります。
・不安になるときもあります。
・もう全部面倒くさいな…と思う日だってあります。
人生を立て直したら、鋼のメンタルが手に入った。
……なんてことはありませんでした。
僕は「強い人」になろうとしていた
昔の僕は、成功する人とは、いつも前向きで、迷わず、自信があって、何があっても折れない人だと思っていました。
だから、落ち込む自分を見るたびに「こんなんじゃダメだ」と思っていたんです。
不安になる
↓
そんな自分を責める
↓
さらに落ち込む
今考えると、自分で転んで、自分で追い打ちをかけています(笑)
ただでさえ痛いのに「なんで転んどんねん!」と自分でもう一発蹴っている。
これでは、立ち上がれるものも立ち上がれません。
どん底では「強い言葉」が入ってこなかった
僕が人生のどん底にいた頃、それまで何度も読んできた成功哲学の言葉が、なかなか心に入ってこなくなりました。
「思考は現実化する」
「逆境は成功へのチャンスだ」
「信念を持て」
どれも僕が大切にしてきた言葉です。
今でも、その価値を疑っていません。
でも、会社を失い、家族と離れ、住む場所までなくした人間に、いきなり「さあ、夢を描こう!」と言っても、なかなか描けないんですよね。
当時の僕なら「いや、その前に今日をどうするかやろ…」と心の中でツッコんでいたと思います(笑)
「弱い自分」を置き去りにしていた
そこで少しずつ気づきました。
僕は人生を変えようとして、弱い自分を置き去りにしていた。
- 怖がっている自分
- 傷ついている自分
- 疲れている自分
- 自信を失っている自分
そんな自分たちを「成功するには邪魔だ」と切り捨てて、強い自分だけで前へ進もうとしていたんです。
でも、自分の一部を置き去りにしたまま、本当の意味で人生を前へ進めることはできませんでした。
「大丈夫じゃない」を認めるところから始めた
だから、少しずつやめました。
- 無理に元気になることを
- 無理に前向きになることを
- 無理に「俺ならできる」と言い聞かせることを
代わりに…
「今日はしんどいな」
「怖いよな」
「そりゃ落ち込むわ」
と、今の自分を認めるようになりました。
別に、それで問題が解決するわけではありません。
通帳の数字が増えるわけでもない(笑)
でも、不思議なことに、自分と戦わなくなると、前を見るための力が少し戻ってきた。
ここは、僕にとって大きな発見でした。
人は「落ちない人」にはならなくていい
僕は以前、メンタルが強い人とは、落ち込まない人だと思っていました。
今は違います。
- 落ち込む
- 迷う
- 止まる
- 弱音を吐く
それでも、少し休んだら、また戻ってくる。
僕にとって本当の強さは「落ちないこと」ではなく「落ちても戻れること」です。
これって、継続にも似ています。
毎日完璧に続けることが継続ではなく、止まってもまた始める。
心も同じです。
ずっと前向きでいる必要はない。
ネガティブになっても、また自分のペースで戻ればいいんです。
人生は「V字回復」なんてしなかった
あと、これも伝えておきたいことがあります。
人生の再起というと、よく「どん底からのV字回復」と言われます。
僕自身の人生も、外から見ればそう見えるかもしれません。
でも、実際はそんなにきれいではありませんでした。
上がったと思ったら、また落ちる。
「よし、いける!」と思った翌日に「やっぱり無理かも…」となる。
一歩進んで、半歩戻る。
たまに二歩くらい戻る(笑)
だから僕の感覚では、V字回復というより「心電図回復」です。
上がったり、下がったり。
ガタガタです。
でも、ガタガタしながらも、長い目で見ると、少しずつ前へ進んでいました。
「元の自分」に戻る必要もなかった
もう一つ、再起する過程で気づいたことがあります。
僕は最初、失う前の自分に戻ろうとしていました。
- 会社を経営していた自分
- 家族がいた自分
- 社会的な居場所があった自分
つまり「元通りになること」が再起だと思っていた。
でも、違いました。
人生には、元通りにならないものがあります。
過去そのものを、なかったことにもできません。
だったら、昔の自分に戻るのではなく、全部を経験した自分で、新しい人生をつくればいい。
そう考えられるようになってから、僕にとって「再起」という言葉の意味が変わりました。
傷を消すのではなく、連れていく
- 会社が倒産したことも
- 離婚したことも
- 子どもたちと離れたことも
- ホームレスになったことも
・・・僕の人生から、消えることはありません。
でも、消す必要もありませんでした。
傷ついた自分を置いていくのではなく「お前も一緒に行こう」と連れていけばいい。
強い自分だけで、人生を歩こうとしなくていい。
- 弱い自分も
- 情けない自分も
- 失敗した自分も…
全部まとめて、今の自分です。
だから僕は「成功」を少し違う意味で考えています
成功とは…
- 二度と落ち込まなくなることではない
- 二度と失敗しなくなることでもない
- いつも自信満々でいることでもない
- 落ちても、戻ってこられる
- 失敗しても、また始められる
- 自信をなくしても、自分を完全には見捨てない
そんな「戻れる自分」をつくっていくことも、僕にとっては立派な成功です。
だから、もし今あなたが、落ち込んでいるなら、無理に立ち上がらなくてもいいと思います。
まず、倒れている自分の隣に座ってみる。
そして少し元気が戻ったら、こう言ってあげればいい。
「そろそろ、また一緒に行くか」
人生を変えるのに、強い人になる必要はありません。
弱い自分まで置き去りにせず、何度でも一緒に戻ってくればいい。
僕自身、これから先も、きっと何度も落ちると思います。
そのたびに、また戻ります。
あなたは今「強い自分になろう」とするあまり、置き去りにしている自分はいませんか?


