会社を潰して気づいた。売上の向こう側には、必ず「人生を持った人」がいる
会社を潰した経験があるから、僕は「売れる文章」だけは書きたくないと思っています。
現在、僕はマーケティング・コピーライターとして23社を支援しています。
- LPを書く
- メルマガを書く
- 広告を書く
- SNSを書く
当然、仕事として求められるのは「売上につながる文章」です。
だから「売れる文章を書きたくない」と言ったら「宮本さん、職業選び間違えてません?」と言われそうです(笑)
もちろん、売上は大切です。
むしろプロなら、結果にはこだわらなければならない。
ただ、僕が怖いと思っているのは「売ること」だけが目的になった文章なんです。
33歳で会社を倒産させた
僕は33歳のとき、経営していた会社を倒産させました。
離婚し、4人の子どもたちとも離れ、最後には住む場所まで失いました。
ホームレスです。
それまで…
- 会社を大きくしたい
- もっと売上を伸ばしたい
- 成功したい
そう思って走っていました。
でも、全部なくなった。
そのとき嫌というほど思い知らされました。
売上は、人生そのものではない。
数字が大きくなっても、人生まで豊かになっているとは限らない。
反対に、数字を失った瞬間、自分の価値までなくなったように感じることもある。
「売上」の向こう側には、必ず人がいる
会社を経営していたころは、売上を「数字」として見ることがありました。
100万円
500万円
1000万円
もちろん、数字が増えれば嬉しい。
減れば焦る。
でも今は、少し見え方が違います。
100万円の売上があるということは、どこかに、100万円分の「買うという決断」をした人がいるということです。
その人は…
- 何かに悩んでいたかもしれない
- 変わりたいと思っていたかもしれない
- 家族のために決断したのかもしれない
- 勇気を出して、財布を開いたのかもしれない
売上という数字の向こうには、必ず、人間の感情と決断があります。
だから、コピーは怖い
文章には、人を動かす力があります。
- 脳科学
- 広告心理学
- 行動経済学
- コピーライティング
学べば、人がどんな言葉に反応するのか、少しずつわかってきます。
「損したくない」
「みんなが選んでいる」
「今しかない」
「簡単にできる」
心理を理解すれば、人が動きやすい文章は作れます。
でも、だからこそ怖い。
なぜなら、人を動かせる技術は、人を間違った方向へ動かすこともできるからです。
心理学は「操る技術」ではない
先日「損失回避」について書きました。
人は、得をする喜びより、損を避けたい気持ちが強く働くことがある。
これを知れば「じゃあ、もっと不安を煽ろう」という使い方もできてしまいます。
でも僕は、それをやりたくない。
五つ星文章術で心理学を扱うのは、読者を操るためではありません。
相手が何に迷い、何を怖がり、何がわからなくて動けないのか。
それを理解して、判断しやすくするためです。
「売れるか?」の前に、一つ質問する
だから、セールス文章を書くとき、僕は自分の中に一つ質問を持っています。
「もし、この文章を読んで買う人が自分の大切な人でも、同じことを書けるか?」
- 家族だったら?
- 友人だったら?
- 昔からお世話になっている人だったら?
- それでも、その不安を煽るか?
- そのデメリットを隠すか?
- 残りわずか、と嘘を書くか?
- 必要のない商品まで勧めるか?
この質問をすると、コピーライティングの景色が少し変わります。
売らないほうがいい人もいる
商品を販売していると「できるだけ多くの人に買ってほしい」と思います。
当然です。
でも…
- その商品が合わない人もいる
- 今は買わないほうがいい人もいる
- 別の商品を選んだほうがいい人もいる
だから本来、良いセールス文章は、全員をYESにする文章ではありません。
「あなたには必要です」と伝える一方で「あなたには必要ありません」も判断できる文章。
僕は、そのほうが長い目で見れば強いと思っています。
23社を支援する今、数字より嬉しい言葉
もちろん、クライアントの売上が上がれば嬉しいです。
- 反応率が上がった
- 申し込みが増えた
- 商品が売れた
プロとして、これほど嬉しいことはありません。
でも、それとは少し違う種類の嬉しさがあります。
「文章を読んで、自分の商品に自信が持てました」
「言いたかったことを言葉にしてもらえました」
「本当に必要な人から申し込みが入りました」
こういう言葉をいただくと、コピーライターをやっていてよかったと思います。
なぜなら、数字だけでは見えないものが動いているからです。
「売る文章」ではなく「つなぐ文章」
今の僕は、コピーライティングを、単に「商品を売る技術」とは考えていません。
商品を持っている人と、それを必要としている人。
まだ言葉になっていない価値と、その価値を探している人。
その間を、言葉でつなぐ仕事だと思っています。
売り手には「こんな価値があります」を言葉にする。
買い手には「これは自分に必要なのか」を判断できるようにする。
その結果として、売上が生まれる。
この順番でありたいんです。
会社を潰したからこそ、忘れたくないこと
もし33歳で会社を潰さず、順風満帆に経営者を続けていたら、今とは違う文章を書いていたかもしれません。
もっと…
- 売上
- 成約率
- 数字
- 効率
ばかり見ていたかもしれない。
もちろん、会社を倒産させてよかったとは思いません。
失ったものが大きすぎます。
でも、あの経験をしたからこそ、今は数字の向こう側を見るようになりました。
売上の向こうに、人がいる。
クリックの向こうに、人がいる。
「1件の成約」の向こうに、人生の一部を使って決断した人がいる。
だから僕は「売れる文章」を書きたい。
でも「売れさえすればいい文章」は書きたくない。
五つ星文章術で目指したいのも、そこです。
- 読まれる
- 共感される
- 行動される
でも最後に、売り手にも、買い手にも「この選択でよかった」と思ってもらえる。
そんな言葉を増やしたい。
あなたが今日書いた文章の向こう側にいる人が、もし自分の大切な人だったとしても、あなたは同じ言葉を書けますか?


