三日坊主を卒業するカギは、やる気ではなく「脳が気づかないほど小さく始める」こと
やる気を出す前に「脳はあなたを変えたくない」ということを知ってください。
「明日から早起きする」
「毎日運動する」
「SNSを毎日更新する」
「今度こそ勉強を続ける」
決めた瞬間は、本気です。
ところが数日すると…
「今日は疲れてるし……」
「明日からでもいいか」
「そもそも、これ本当に必要?」
と、もう一人の自分が現れる。
そして最後には「やっぱり自分は意志が弱い」と結論づける。
僕も、これを何度繰り返したか分かりません。
でも今は、続かなかったときに「根性」だけを疑うことはありません。
まず「脳から見たら、この変化は大きすぎなかったか?」と考えます。
脳の仕事は「夢を叶えること」ではない
ここは、とても大事です。
僕たちは「人生を変えたい」と思います。
でも脳の重要な役割の一つは、生存のために身体の状態を一定範囲に保つこと。
体温も、血糖も、さまざまな身体機能も、大きく乱れないよう調整されています。
これを「恒常性(ホメオスタシス)」と呼びます。
ただし、よくある自己啓発の説明のように「脳には人生を現状維持させる装置があり、夢を邪魔してくる」と単純化しすぎるのも違います。
脳はあなたの敵ではありません。
むしろ、変化に伴う負荷や不確実性をできるだけ減らしながら、あなたを守ろうとしている。
僕はそう捉えています。
「昨日までの自分」は、ものすごく省エネ
たとえば毎朝7時に起きている人が、突然「明日から毎朝5時!」と決める。
さらに…
- 30分ランニング
- 読書30分
- 瞑想20分
- 朝食も完璧にする。
- なんなら朝から白湯まで飲む(笑)
初日はできます。
新しいことには新鮮さがあるからです。
でも問題は、そのあと。
昨日まで必要なかった判断や行動が一気に増えます。
一方、いつもの時間に起きて、いつもの行動をして、いつもの生活をするのは楽です。
なぜなら、慣れた行動ほど自動化され、考える負担が少ないからです。
だから習慣を変えるとき「やる気」だけで古い生活を全部ひっくり返そうとすると、かなり疲れます。
「やる気が消えた」のではない
僕も昔は、初日の情熱がなくなると「モチベーションが落ちた」と思っていました。
でも、初日の興奮が365日続くほうが不自然です。
新しいことを始めたときの高揚感は、ずっと同じ強さでは続きません。
だから「やる気があること」を継続の条件にしない。
ここが大切です。
やる気がある日は、誰でも動けます。
問題は…
- やる気が普通の日
- ちょっと疲れている日
- なんとなく面倒な日
そこで動ける仕組みになっているかどうかです。
脳に「大改革」を要求しない
そこで僕が意識するようになったのが、変化を小さくすること。
たとえば「毎日1時間運動する」ではなく、まず10分歩く。
それでも難しいなら、5分でもいい。
「毎日30ページ読む」ではなく、まず1ページ。
「毎朝5時に起きる」ではなく、今より15分早くする。
これくらいなら「そんなので人生変わる?」と思うでしょう。
僕も昔なら思いました。
でも、1日だけ大きく変えることより、小さな変化を「いつもの自分」にしてしまうほうが強いのです。
習慣化とは「頑張らなくてもやる」に近づけること
歯磨きをするとき、毎晩「よし!今日も歯を磨くぞ!」と拳を握る人は少ないですよね(笑)
時間になったら、なんとなく洗面所へ行って、歯ブラシを手に取る。
これが自然にできるのは、それが「習慣」になっているからです。
僕が目指したいのも、これです。
- 最初は少し意識してやる
- 何度も繰り返す
- やるタイミングを決める
- 始めるハードルを下げる
すると徐々に「頑張ってやること」から「普通にやること」へ変わっていく。
継続の強さは、毎日モチベーションを上げ続けることではありません。
モチベーションが普通でも、動ける状態を作ることです。
僕が「60点」をすすめる理由
だから僕は「100点の三日坊主より、60点の365日」という考え方を大切にしています。
100点は負荷が大きい。
しかも、100点を基準にすると、80点の日まで「失敗」に見えてしまいます。
でも60点を合格にすると、かなり変わります。
- 今日は元気だから100点
- 忙しいから60点
- 疲れているから20点
それでも、完全な0にしない。
そして本当にできない日は、休んで翌日また戻る。
このほうが、僕には圧倒的に続きました。
「脳=OS」と考えてみる
五つ星成功術では「身・脳・気・心・志」という5つから自分の状態を考えます。
僕はその中で「脳」をパソコンのOSにたとえています。
どれだけ素晴らしい目標というアプリを入れても、OSの特性を無視して無理な命令を出し続ければ、うまく動きません。
だから、脳を敵にして「言うことを聞け!」と戦うのではなく、脳が動きやすい設計にする。
これが僕の考え方です。
続かなかったら「意志」より先に見るもの
もし新しい習慣が続かなかったら、次は自分を責める前に、この5つを確認してみてください。
- 変化を一気に大きくしすぎていないか
- 最初から100点を求めていないか
- 始めるまでの手間が多すぎないか
- やる時間やきっかけが決まっているか
- 休んだ翌日に戻れる設計になっているか
このどれかを変えるだけで、継続しやすくなることがあります。
僕は昔、続かないたびに、自分の「意志」を鍛えようとしていました。
今は逆です。
意志を鍛えなくても続けやすい環境と仕組みを作ります。
脳は、あなたの人生を邪魔する敵ではありません。
ただ、昨日までとまったく違う人生を、明日から突然始めろと言われたら、少々困るだけです(笑)
だから人生を変えたいなら、脳と戦わない。
脳を騙す必要もない。
脳が「これくらいなら普通だね」と受け入れられるくらい、小さく始める。
そして、それを繰り返す。
気づいた頃には、かつて「頑張らなければできなかったこと」が、あなたの普通になっているかもしれません。
今日、新しく始めたいことがあるなら、こう問いかけてみてください。
「これを半分、いや10分の1にするとしたら、何から始められるだろう?」
人生を大きく変える最初の一歩は、脳が驚くほど大きな一歩ではなく、脳が気づかないくらい小さな一歩でもいいのです。


