ある社長の原稿から、真っ先に「9文字」を削りました

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文章が読まれない原因は「文章力」ではなく「一番おいしい一文」を置く順番かもしれません

ある社長の原稿を添削していて、ぼくが真っ先に削った「9文字」があります。

現在、ぼくは23社のマーケティングやコピーライティングに関わっています。

先日も、ある原稿を読んでいました。

内容は悪くない。

むしろ、伝えたいことはしっかりしている。

ところが冒頭を読んだ瞬間、僕は赤ペンを入れました。

削ったのは「こんにちは○○です」の9文字でした。

「挨拶しちゃダメなんですか?」

もちろん「挨拶は禁止です!」なんて話ではありません(笑)

ブログやメルマガなど、読者との関係性ができている媒体なら「こんにちは、宮本です」から始めてもいい(僕もそうしています)

問題は、まだ読むと決めていない人に向けた文章でも、同じように始めてしまうこと。

特にSNS。

タイムラインでは、あなたの投稿の前後に…

  • ニュース
  • 動画
  • 有名人
  • 友人
  • 競合
  • ラーメン……

など、あらゆる強敵がいます(笑)

読者は、あなたの文章を読むためにXを開いたとは限りません。

書き手は「挨拶」から入りたい。読者は「自分の関心」から入りたい

ここに、書き手と読者の小さなズレがあります。

書き手は「まず名乗ったほうが丁寧だ」と思う。

でも読者が無意識に確認しているのは「この先に、自分に関係のある話があるか?」です。

だから、その原稿では「こんにちは○○です」を削り、いきなり読者が抱えている問題から始めるようにしました。

すると「書き手が話し始める文章」から「読者が思わず自分のこととして読む文章」に変わったんです。

文章の最初には「家賃」がかかる

僕は、文章の冒頭には、ものすごく高い家賃がかかると思っています。

特にSNSでは…

1行目
2行目
3行目

この一等地を、なんとなくの挨拶や前置きで使ってしまうのは、かなりもったいない。

銀座の一等地を借りて、入口に巨大な傘立てだけ置いているようなものです(笑)

そこには、一番売りたい商品を置いたほうがいい。

文章なら、読者が続きを読みたくなる言葉を置く。

僕が添削で削る「3つの前置き」

実際、原稿を見るとき、冒頭でよく削るものがあります。

1つ目は、挨拶。

「こんにちは○○です」

もちろん必要な場面もありますが、SNSでは後ろへ回せることが多い。

2つ目は、宣言。

「今日は○○について書きます」

これも悪くありません。

でも「何を書くか」ではなく「それを読むと何がわかるか」から始めたほうが強い。

3つ目は、背景説明。

「最近○○について考える機会がありまして……」
「先日こんな出来事がありまして……」

と、背景から丁寧に説明したくなるのですが、その出来事の中で一番面白いところを先に出したほうがいい場合があります。

「順番」を変えるだけで文章は化ける

ここで重要なのは、挨拶も、宣言も、背景説明も、内容そのものが悪いわけではないということです。

問題は「順番」です。

たとえば「先日、クライアントのLPを添削しました。今日はそのとき感じたことを書きます」から始めるより「売れないLPを見るとき、僕が最初にチェックするのは文章力ではありません」から始める。

そのあとで「先日、実際にこんなLPがありました」と背景を説明すればいい。

情報はほぼ同じです。

でも、読者が受け取る順番が違う。

文章では、この順番がものすごく重要です。

良い素材を「前置き」で埋めている人は多い

23社の原稿を見ていて感じるのですが、文章が苦手だと思っている人でも、素材そのものは面白いことが多いんです。

  • 経験もある
  • 実績もある
  • 失敗談もある
  • 独自の考えもある

ところが、その一番おいしい部分が、文章の8行目や10行目に埋まっている。

僕が添削でやることは、新しい名言を発明することではありません。

「これ、最初に持ってきましょう」と移動させるだけのことも多い。

それだけで文章が急に強くなることがあります。

コピーライターは「書く人」より「並べ替える人」

コピーライターというと、魔法のような言葉を生み出す仕事だと思われることがあります。

でも実際の仕事では、書く以上に「並べ替える」ことが多いです。

  • どの情報を最初に出すか
  • 何をあとに回すか
  • どこで実績を見せるか
  • どこで不安を解消するか
  • どこで行動を促すか

先日の投稿で、文章には「一本道」が必要だと書きました。

その一本道をつくるのが、情報の順番なんです。

最初の1行は、現場ではこう見る

先日の投稿では、1行目は本文の要約ではなく「予告編」という話を書きました。

現場で原稿を見るときも同じです。

僕は冒頭を読んで、こう考えます。

「ここに、この文章で一番面白いものが置かれているか?」

もし答えがNOなら、文章を書き直す前に、後半を探します。

すると、8行目にすごい実績があったり、12行目に強烈な失敗談があったり、最後のほうに「それ、最初に言ってくださいよ(笑)」という一文が眠っていたりするんです。

新しく書く前に「発掘」してみる

もしあなたの投稿が「内容には自信があるのに、なぜか読まれない」なら、新しいキャッチコピーを考える前に、一度やってみてください。

自分の文章を最後まで読み「この中で、一番『え?』『なぜ?』『それ知りたい』と思う一文はどこだろう?」と探す。

見つけたら、思い切って最初へ持ってくる。

そして、なくても意味が通じる前置きを削る。

文章力が突然上がるわけではありません。

でも、文章の「見え方」は劇的に変わることがあります。

良い文章を書くために、いつも新しい言葉を生み出す必要はありません。

あなたの文章にも、まだ誰にも読まれていない「一番おいしい一文」が、8行目あたりで順番待ちしていませんか?

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