刺さる言葉を探すのは、もうやめたほうがいい

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同じ言葉でも、ある人には刺さり、ある人には逆効果。「何を書くか」より「誰に書くか」で文章は変わる。

刺さる言葉を探すのは、もうやめたほうがいいです。なぜなら、人によって「刺さる言葉」は真逆だからです。

「このキャッチコピー、刺さりますか?」

コピーライターをしていると、こんな質問をされることがあります。

「宮本さん、この言葉って刺さりますか?」

僕の答えは「誰に?」です。

少々、意地悪に聞こえるかもしれません(笑)

でも、ここが文章ではものすごく重要です。

なぜなら、万人に刺さる「魔法の言葉」は、ほぼ存在しないからです。

同じ商品なのに、真逆の言葉で人が動く

たとえば、起業・副業の講座を販売するとします。

こんなコピーがあったとします。

A:「失敗しないように、基礎から一歩ずつ学べます」
B:「今の自分を壊して、新しいステージへ挑戦しよう」

どちらが強いでしょう?

答えは「人による」です。

慎重で、失敗したくない人なら、

Aの「一歩ずつ」「失敗しない」に安心するかもしれない。

でも、現状に退屈していて、刺激や成長を求めている人なら、Bの「壊す」「挑戦」にワクワクするかもしれない。

同じ商品です。

でも、人によって、動くスイッチが違うのです。

「安心してください」が逆効果になる人もいる

文章ではよく「読者の不安を取り除きましょう」と言われます。

もちろん大切です。

でも、全員が「安心」を最優先しているわけではありません。

「初心者でも安心」
「丁寧にサポート」
「失敗しない方法」

こういう言葉に惹かれる人もいれば、逆に「なんか退屈そう」と感じる人もいます。

その人には…

「未知の世界へ」
「限界を超える」
「まだ誰もやっていない」

のほうが響くかもしれない。

つまり、売り手が良い言葉だと思っているものと、相手が反応する言葉は別物なんです。

だから五つ星文章術には「個性学」がある

僕が五つ星文章術を…

  • 脳科学
  • 広告心理学
  • 行動経済学
  • 神話学

そして「個性学」の5つから考えている理由の一つがここです。

脳科学や心理学では「人間にはこういう傾向がある」を学べます。

でも実際のお客様を見ると、全員が同じ反応をするわけではない。

だから「人間一般」を知ったあとに、「目の前の一人」を見る。

ここまで必要だと考えています。

僕は「何を欲しいか」だけでなく「なぜ欲しいか」を見る

たとえば、同じように「売上を増やしたい」と言っている経営者が二人いたとします。

一人目は「会社を安定させたい」と思っている。

  • 社員を守りたい
  • 毎月の資金繰りに不安を感じたくない

この人には「安心・安定・再現性」という言葉が響きやすいかもしれません。

もう一人は「もっと大きなことをしたい」と思っている。

  • 業界で一番になりたい
  • 新しい市場へ出たい
  • 自分の限界を試したい

この人には「挑戦・成長・可能性」のほうが響くかもしれない。

二人とも、表面上の欲求は「売上を増やしたい」

でも、その奥にある感情はまったく違うのです。

ペルソナを「年齢・性別」で終わらせない

マーケティングでは、ペルソナを設定しましょうと言われます。

「45歳男性」
「会社経営者」
「年商5000万円」
「東京都在住」

もちろん、これも情報です。

でも僕は、文章を書くなら、それだけでは足りないと思っています。

知りたいのは「その人は、どういう理由でYESと言う人なのか?」です。

  • 失敗を避けたいのか
  • 新しいものを試したいのか
  • 周囲から認められたいのか
  • 自由になりたいのか
  • 誰かを守りたいのか
  • 自分らしくありたいのか

ここがわかると、言葉の選び方が変わります。

同じ商品を「5つの欲求」で書き分けてみる

たとえば「文章術講座」を販売するとしましょう。

同じ商品でも、訴求を変えられます。

1. 安心を求める人
例:何を書けばいいか迷わない。型に沿って一つずつ身につける文章術

2. 成長を求める人
例:今の文章力を一段上へ。プロの思考法まで身につける文章術

3. 効率を求める人
例:毎日2時間悩む文章作成を、もっと短く、もっとシンプルに

4. 評価を求める人
例:この人の文章は違うと思われる、専門性が伝わる文章術

5. 自由を求める人
例:テンプレに縛られず、自分の言葉で人を動かせる文章術

売っているものは同じです。

嘘もついていません。

でも、どの未来にスポットライトを当てるかが違うわけです。

これは「相手に媚びる」という話ではない

ここは誤解してほしくありません。

相手によって、言うことをコロコロ変えよう、という話ではありません。

商品の本質は変えない。

自分の信念も変えない。

ただ、同じ価値でも、相手が理解しやすい入口から伝える。

たとえば、山の頂上は同じでも、登山口はいくつかある。

そんなイメージです。

文章とは、相手に合わせて真実を曲げることではなく、相手が入ってきやすい入口をつくることなのです。

23社を見ていると「社長自身に刺さる言葉」を書きがち

これは現場でもよくあります。

経営者が「このコピー、めちゃくちゃいいですね!」と言う。

でも、僕はそこで、少しだけ警戒します(笑)

なぜなら、社長本人に刺さっているだけかもしれないからです。

挑戦型の社長なら…

「常識を壊せ!」
「限界を超えろ!」

が好きかもしれない。

でも、お客様が慎重型なら、そのコピーを見て「怖っ……」となる可能性がある(笑)

売り手の個性と、買い手の個性は、同じとは限りません。

AIを使うときも「誰向けか」を変える

これは生成AIでも使えます。

たとえば、一つのコピーを書かせて終わるのではなく、同じ商品の訴求を…

「失敗を避けたい慎重な人向け」
「成長欲求の強い人向け」
「時間効率を重視する人向け」
「自分らしさを重視する人向け」

と、複数パターン出してみる。

すると、同じ商品がまったく違って見えることがあります。

AI時代は、文章を一つ作るコストが下がりました。

だからこそ「一つの正解コピー」を探すより、相手によって仮説を作り、書き分け、反応を見るという使い方がしやすくなっています。

「刺さらない」は文章力の問題とは限らない

頑張って文章を書いた。

コピーライティングも学んだ。

でも反応がない。

そんなとき、すぐに「自分には文章力がない」と思わなくてもいいんです。

もしかすると、文章が弱いのではなく、違う人のスイッチを押しているだけかもしれません。

安心したい人に「挑戦しろ!」と言っている。

自由になりたい人に「ルール通りやれば大丈夫」と言っている。

それでは、いくら良い文章でも響きにくいわけです。

今日、自分のコピーを一つだけ書き換えてみる

今あなたが使っている…

  • 商品紹介文
  • プロフィール
  • 固定ポスト
  • LPのキャッチコピー

どれでも構いません。

一つ選んで、こう考えてみてください。

「この言葉は、どんな価値観の人に響くように書かれている?」

  • 安心?
  • 挑戦?
  • 効率?
  • 評価?
  • 自由?

そして、今度は正反対のタイプに向けて、同じ商品をもう一度書いてみる。

そうすると、驚くほど違う文章になると思います。

「刺さる言葉」を探すのではなく「この人には、何が刺さるのか」を考える。

主語を「言葉」から「人」へ変える。

これが、五つ星文章術で「個性学」を扱う理由です。

万人に刺さる魔法のコピーを探すより、目の前の一人を深く理解する。

結局、人を動かす文章は、そこへ戻ってくるんです。

あなたの商品を買う人は、どんな言葉に反応する人でしょうか?

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