審査通過率5%のvoicyで「しゃべり苦手」の僕がデビューした理由

目次

文章で飯を食ってきた男が、なぜ今さら「声」という苦手分野に飛び込んだのか

先日、ひとつ新しい挑戦を始めました。

音声配信プラットフォーム「voicy」です。

voicyをご存じない方のために簡単に説明すると、スマートフォンなどで、さまざまな人の「声の番組」を聴けるサービスです。

ラジオに近いのですが、放送時間に合わせる必要はありません。

  • 通勤しながら
  • 家事をしながら
  • 散歩しながら

好きな番組を好きなタイミングで聴くことができます。

現在、voicyには2000を超えるチャンネルがあり、パーソナリティは応募通過率5%前後の審査を通過した人たちで構成されています。

経営者、著者、専門家、クリエイターなど、そうそうたる人たちが発信しています。

そんな場所で、僕も音声配信を始めることになりました。

……と書くと「宮本さん、しゃべるの得意なんですね」と思われるかもしれません。

いや、逆です(笑)

今日は、なぜ「文章で飯を食っている僕」が、あえて苦手な音声発信を始めたのか?

その裏側についてお話ししたいと思います。

僕は「文章」で飯を食っています

僕の本業は、マーケティング・コピーライターです。

つまり、文章を書くことで飯を食っています。

これまで長い間…

  • 広告を書き
  • セールス文章を書き
  • メルマガを書き
  • LPを書き
  • 電子書籍を書き
  • SNSを書き……

とにかく「言葉を書く」という仕事を続けてきました。

ですから「文章を書いてください」と言われれば、それほど怖くありません。

もちろん毎回真剣勝負ですが、少なくともホームグラウンドです。

ところが「では、マイクの前で自由に10分しゃべってください」と言われると……

急にアウェー感が出ます(笑)

文章なら「あ、この表現は違うな」と思えば消せます。

順番を変えることもできます。

一晩寝かせることもできます。

ところが音声は、口から出た言葉を「Ctrl+Z」(前に戻るコマンド)できません。

これは文章人間にとって、なかなか恐ろしい世界です。

大阪人が全員しゃべくり上手だと思わないでください(笑)

ちなみに僕は、大阪生まれの大阪育ちです。

「大阪人なら、しゃべるの得意でしょう?」と思われることがあります。

ここで全国の皆さまに、一つ訂正しておきたいことがあります。

大阪人が全員「漫才師」ではありません(笑)

僕自身、もともとは…

  • 無口
  • 人見知り
  • 引っ込み思案

どちらかといえば、人前で話すことが得意な人間ではありませんでした。

文章なら、考える時間があります。

自分の中にあるものを一度整理してから、言葉にできます。

だから僕にとって「書く」という行為は、とても相性がよかったんです。

一方で「しゃべる」は違います。

  • 考えながら言葉を出す
  • 相手の反応を感じる
  • 間を取る
  • 声に感情を乗せる
  • その場で話を組み立てる

僕にとっては、文章とは別の筋肉を使う感覚があります。

だから僕は、文章では飯を食っていますが、しゃべりでは飯を食っていません。

ここ、大事なところです(笑)

それでも、なぜ音声だったのか?

では、そんな僕がなぜvoicyを始めたのか。

理由はいくつかあります。

一つは「文章」と「音声」の両方を持っておきたかったからです。

以前、noteで「思考する人は文章を好む」というテーマの記事を書きました。

僕自身、情報発信をするうえで「どんな媒体に人が集まるか」をかなり意識しています。

情報の受け取り方には、それぞれ特徴があります。

短い動画には、短い動画の良さがあります。

映像には、映像の良さがあります。

文章には、立ち止まって読み返しながら、自分のペースで考えられる良さがあります。

音声には、発信者の声や間、温度、人柄まで感じながら情報を受け取れる良さがあります。

実際、大学生を対象にポッドキャストと文章を比較した研究でも、音声を好む人、文章を好む人、両方を使い分ける人がおり、自分に合った形式を選べること自体が重要だと示唆されています。

つまり僕は、文章か、音声か、ではなく、文章も、音声も。という発信環境をつくりたかったんです。

僕が届けたいのは「考える人」

もう一つ、大きな理由があります。

僕が情報発信で出会いたいのは、一瞬の刺激だけを求めている人ではありません。

  • 文章をじっくり読む
  • 話を最後まで聞く
  • 一度、自分の頭で考える

そして「これは自分の場合だったらどうだろう?」と内省する。

そんな人たちです。

だから僕は、すでに文章メディアとしてnoteやSubstackを使っています。

そこへ今回「音声」というもう一本の柱を追加した。

そんな感覚です。

文章で深く考える人と出会う。

そして音声で、文章だけでは伝わらない「人間」を感じてもらう。

この二つを組み合わせたら、面白いことが起きるのではないか。

そんな仮説を持っています。

でも、本当の理由はもう一つあります

ここまでの話なら「なるほど、マーケティング戦略なんですね」で終わります。

でも、それだけではありません。

むしろ僕個人としては、こちらの理由のほうが大きいかもしれません。

それは、自分の「しゃべくり力」を鍛えたいから。

得意な文章だけで情報発信していれば、僕は困りません。

これまで通り文章を書いていればいい。

でも、それでは自分の能力の範囲は広がりません。

文章という「得意な場所」にずっといることもできます。

そこは居心地がいい。

安心できます。

でも、成長というのは時々「ちょっと居心地の悪い場所」に入ったときに起こるものだと思っています。

いわゆる、コンフォートゾーンの外側です。

審査に通った瞬間、喜びと恐怖が同時にやってきた

voicyは、誰でもすぐにパーソナリティとして配信できるサービスではありません。

公式発表によれば、パーソナリティの応募通過率は5%前後。

つまり単純計算なら、100人応募して、5人前後。

そんな場所です。

多くのSNSのように誰でもアカウント開設できるわけではない。

だから審査に通ったときは、もちろん嬉しかった。

「よっしゃ!」と思いました。

ところが、その直後です。

別の自分が出てきました。

「……本当にやるの?」

(笑)

voicyのクリエイターを見れば…

  • 経営者
  • 著者
  • 専門家
  • 話すことを仕事にしている人
  • すでに大きな影響力を持っている人

そんな人たちが並んでいます。

そこに…

元・無口
元・人見知り
元・引っ込み思案

の僕が入っていく。

しかも、しゃべりは得意ではない。

怖くないわけがありません。

戸惑いもありました。

不安もありました。

「ちゃんと話せるかな」
「誰も聴いてくれなかったらどうしよう」
「文章は上手なのに、しゃべりはイマイチだな……と思われたら嫌だな」

そんなことも考えました。

でも、そのとき思ったんです。

だから、やる価値があるんじゃないかと。

得意なことだけやっていたら、自分の世界は広がらない

人間は、歳を重ねるほど「自分はこういう人間だ」という自己定義が固まっていきます。

  • 僕は文章の人
  • 僕は人前で話すタイプじゃない
  • 僕はこういうことが苦手
  • 僕には向いていない

もちろん、自分の得意分野を知ることは大切です。

でも、その自己理解がいつの間にか「自分の可能性に蓋をする言葉」になっていることがあります。

「苦手だからやらない」を何十年も続けていると、本当に苦手なのか、単に経験していないだけなのか、わからなくなってくる。

だから今回、僕はVoicyを、単なる「新しい集客媒体」として始めるのではなく、自分自身の実験場として使ってみることにしました。

「上手くなってから始める」をやめてみる

僕たちは何か新しいことを始めるとき…

「もう少し勉強してから」
「準備が整ってから」
「自信がついてから」

と言いがちです。

でも、よく考えるとおかしな話です。

自信というのは、やる前に手に入れるものではなく、やった後に少しずつ育つものだからです。

しゃべりが上手くなってからVoicyを始める。

・・・ではなく、Voicyを始めるから、しゃべりが上手くなる。

今回は、この順番でいこうと思いました。

最初の放送が100点である必要はありません。

噛むかもしれない(初回の収録で、すでに噛みました 笑)

言葉に詰まるかもしれない。

「あれ、何の話してたっけ?」となるかもしれない(笑)

でも、それでいい。

1回目より10回目
10回目より30回目。
30回目より100回目…

少しずつ「声で伝える筋肉」を鍛えていけばいい。

完成した人ではなく、挑戦している人として発信したい

情報発信をしていると、どうしても「先生でいなければならない」という錯覚に陥ることがあります。

  • 何でも知っている人
  • 失敗しない人
  • いつも正解を持っている人

でも僕は、そんな人間ではありません。

知らないことも山ほどあります。

失敗もします。

苦手なこともあります。

だったら、完成した姿だけを見せるのではなく、挑戦している途中も見せればいい。

そう思っています。

だから今回のVoicy挑戦も、この「情報発信実験室」で追いかけていきます。

  • 最初はどれくらい聴いてもらえるのか
  • どんなテーマが反応されるのか
  • 文章と音声では、届き方にどんな違いがあるのか

そして何より、しゃべりが苦手だった宮本真愿は、本当にしゃべれるようになるのか(笑)

これも含めて公開実験です。

苦手の向こう側には、まだ知らない自分がいる

審査通過率5%前後のvoicyの世界

そこへ、無口で、人見知りで、引っ込み思案だった僕が飛び込みました。

怖さがゼロになったから始めたわけではありません。

自信満々になったからでもありません。

むしろ逆です。

ちょっと怖かったから、やってみようと思った。

僕はこれからも文章を書き続けます。

文章は僕のホームグラウンドです。

でも、ホームグラウンドだけで人生を終える必要はありません。

たまにはアウェーへ行ってみる。

そこでボコボコにされるかもしれない(笑)

でも、その経験によって、自分の世界がほんの少し広がるかもしれません。

僕にとって今回のvoicyは、新しい情報発信媒体であると同時に「昨日までの自分」を少しだけ超えるための場所でもあります。

上手くしゃべれるかどうかは、まだわかりません。

だからこそ、面白い。

さて「文章では飯を食っている。でも、しゃべりでは飯を食っていない男」は、声の世界でどこまでいけるのか。

この実験を、始めてみます。

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