人生を変える「ひとつの言葉」
人は『私はこういう人間だ』と自分で考えるその通りのものになる。それと異なったものになることはない
これはブッダ(釈迦)が残したとされる名言のひとつです。
非常にシンプルでありながら、私たちの人生の核心を突いています。
この言葉が示しているのは「現実は自分の内側の投影である」という真理。
つまり、自分の中にある「自己像」が、そのまま人生を形づくるということです。
なぜこの名言が重要なのか?
私たちは、日々何万回という思考を繰り返しています。
その大半は無意識の中で、しかも「自分という存在」に関するものです。
- 「私は不器用だ」
- 「自分には才能がない」
- 「どうせうまくいかない」
こうした内なる「決めつけ」が、実際の行動、感情、態度、そして結果にまで影響を与えてしまいます。
心理学で言えば「自己充足的予言(Self-fulfilling prophecy)」という現象です。
自分が信じた通りの結果を、無意識に選び取りにいくのです。
つまり「私はこういう人間だ」というセルフイメージが、その人の「現実の枠」を決めてしまうというわけです。
ブッダが伝えたかった「自由への鍵」
仏教の核心は「解放」です。
執着からの解放、煩悩からの解放、そして「偽りの自己像」からの解放です。
ブッダのこの名言は、「自分を変えることができない」という思い込みに対して、強烈なカウンターを放っています。
言い換えればこうです。
もし今の自分が気に入らないなら「私はこういう人間だ」という思考を見直しなさい
自分を「変える」とは、自分の「思い込み」を変えることから始まるのです。
どうすれば「新しい自分」になれるのか?
では、具体的にどうすればブッダのこの名言を活かせるのでしょうか。
以下に実践的なステップを紹介します。
① 自分の「内なる言葉」に気づく
まずは、自分が日常的に使っている「セルフトーク」に注意を向けてください。
- 朝起きたとき、どんな言葉を心の中でつぶやいていますか?
- ミスをしたとき、自分にどんな言葉をかけていますか?
これを「内観」するだけでも、無意識の自己イメージが見えてきます。
② 意図的に「新しい自己像」を選び直す
見えてきた否定的な言葉を「意図的に」書き換えていきましょう。
- 「私は不器用だ」→「私は学び続ける人間だ」
- 「どうせうまくいかない」→「私は挑戦を楽しむ人間だ」
ポイントは「事実」よりも「意志」を重視することです。
理想の自己像を「今の自分」にかぶせていくようなイメージです。
③ 毎日「言葉で」新しい自分をインストールする
変化は反復から生まれます。
毎日、新しい自己イメージを声に出して言う。紙に書く。ノートに記録する。
言葉は「脳の再配線装置」です。
新しい言葉を繰り返せば、脳はそれを「現実」として受け取るようになります。
人生は「思考の写し鏡」である
ブッダのこの名言は、私たちにこう問いかけています。
あなたは、自分をどう定義していますか?
そしてこう続けているように感じます。
あなたがそのように「思っている通り」の人間に、あなたはなるのです
今、あなたの人生がうまくいっていないのだとしたら、まずは「自分自身にかけている言葉」を疑ってみてください。
その「ひとこと」を変えるだけで、人生が変わる。
それは、ブッダが2500年前に残してくれた、変化と自由へのメッセージなのです。
宮本真愿
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